過ぎ去った日々思い出の中にだけ残っているけど 過ごした時間二人をつなぎとめる電話からの声

一つ前に書いた声優ユニット10選の補足に当って、良い話題を振られたので。
例会でよしこと喋った時にした言い方は、結構正しくなかったと思うので、極めてベタな言い方をします。
http://d.hatena.ne.jp/YOSHIKO-MORy/20091017
それってやっぱり、手前じゃなくて、奥にある問題だよ。
だって我、それを問うために、この7年間声オタやってきたようなモンだもの。


声優とは何なのか。声優であるとは、どういうことか。
声優であることと、例えば映画俳優や舞台俳優であることはどう違うのか。アーティストであることはどう違うのか。アイドルであることはどう違うのか。
アニメ声優でもなく、声優アーティストでもなく、もちろんアイドル声優でもなく、「声優」であるというのはどういうことか。
それは、私にとって決して、声優ユニットに関して語りだす前に問わねばならない問題ではありません。例えば声優ユニットに関して語るようなことを通して、少しずつ近づけるような、最終問題です。
もちろん、声優とは何かという究極問題が、素朴な問いであるとも、意味のない問いであるとも思っていません。


あとよしこは、声による演技を仕事とする声優が、「歌を歌うし、ラジオに出演するし、写真集を出す」という付随的なタレント活動としての仕事をしており、私が語っているのは声優のそのタレント活動に関してだと捉えている節がありますが、そうではありません。
アニメに声を当てる、歌を歌う、ラジオに出演する、写真集を出す、etc、etc、それらは全て横並びであって、そういう仕事をしている人達であるところの、声優存在に関して語っている訳です。
確かに歌ったり写真集を出したりするのは、一般に言う「タレントさん」がよくやる仕事ですが、だからと言って「タレントさん」以外がそういう仕事をしていけない訳ではありません。また、タレント以外がそういう仕事をすると、タレントを兼業しているという訳でもありません。それらは声優の仕事でもある、ということです。
と言うか「タレント」という言葉はちょっと曖昧過ぎるので、この辺はもっと丁寧に議論しなければいけなそうだなあ。
だからもちろんアニメに出ている演技について語ることもあれば、歌について語ることも、ラジオについて語ることも、写真集について語ることもあります。それらを語るということが、私にとって、私が声オタであるということです。
ただアニメについて語る人はやたら多いので、ついアニメ以外に関して語ってしまうことが多いですが。


そんな訳で私は、今回は、声優ユニットについて語ろうと思いました。
また、他の人にとっての声優ユニット10選も聞きたいと思いました。谷部の人には、冬コミ号作る際に改めて伺うと思います。
ただ、なぜ他の題材ではなく、声優ユニットという題材を選んだのかは、ちょっと答えづらい問題です。
もちろん一番には、私が声優ユニットというものに関して、他の声優にまつわるエトセトラよりもとりわけ思い入れを抱いているということがあります。それは例えば、声優交友関係だとか、百合声優だとかであってはなりません。あくまで、CD発売・イベント出演・ライブ開催・ラジオ放送・アニメ登場などのメディア露出を通した、声優ユニット活動のことです。
その、私が声優ユニットに関して抱いているドロドロの中身に関しては、冬コミの原稿までには何とかまとめようと思います。


あと、思想文化系をバックボーンとするよしこにとっては、原理をさて置いて例証を語るというアプローチが受け入れにくいのかもしれないと思う。しかし行動文化系をねちねち学んできた私にとっては、具体例やデータを通して、その基にある原理へ問いを立てていくというのは、極めて基本的なアプローチです。
もちろん、一般的に声優とは何であるかを問うのであれば、多くの人の声優ユニットに関する言葉を聞いたほうが役に立ちます。
認知心理学においては、行動は認識に先立つというテーゼがあることも一因です。声優とは何であるか、それが定まっているから例えば声優ユニットについて語れるのではありません。例えば声優ユニットについて語ることを通して、我々は声優とは何であるかを構築していくのです。