キル

本日はNODA・MAP第13回公演「キル」@シアターコクーンを観て来ました。
ええまあ普通に野田秀樹の芝居って相変わらず訳もなくかっこいいなあという感じで、良かったです。
一昔前は、訳もなくかっこいいものって大嫌いだったのですが、この歳になるともうそっちの方が心地いいです。
結局芝居って、言葉とか身振りとかパフォーマンスとか、何かしらばしっと決まってれば、もうそれだけで満足できますって話で、しかし結局それかって言ってしまうとやっぱり身も蓋もない。


フェイクでも、オリジナリティーの欠如でも、シミュラークルとシミュレーションでも、言い方は何でもいいんですけど、結局ものづくりにはそういうの大事なモチーフになってくるんでしょうか。私はクリエイターさんじゃないので興味ないです。
ただ、鏡に映る自分とか一歩前の未来の自分の姿が不気味になってくる感じとか、その姿が次々他の人間、尊敬する人とか嫌いな人とかに見えてくる感じとかは、何だか妙に共感してしまうものがあります。そういう書き方すると見てない人には誤解しか与えない表現ですが、別にそういう芝居ではなかったです。


本筋の話は、ちゃんと観てると意外に普通の英雄の話とか戦争の話なんですけど、個人的にはDV男の話にしか見えませんでした。いかにして男にとって都合の良い理屈は、暴力を許していくのかっていう。そういう意味でこの芝居は、時代劇ではないという意味以外においても、現代劇です。
広末涼子がすごく美人に見えました。中高生くらいの頃の趣味って、いくつになっても変わらないですね。しんどい。